西園寺先生は紡木さんに触れたい


蓮がジロリと男子の顔を睨むと、「いや、だって…。」と話しはじめた。


「お前のバイトやってる代わりに、何も関係ない紡木がポスター描いてんだろ…?」


おどおどしながらもそう言う男子に、霧島は頭上に?を浮かべた。


そんな霧島の様子に男子も首を傾げて、紡木は深くため息をついた。


「え、知らねえの?」

「??何がだ?」


おかしな様子の霧島に、男子たちも困惑した様子で、「いや…。」と返した。


「紡木が、お前のために文化祭のポスター描いてんだよ。」

「え?」

「就活もあって、自分の係の仕事もあるのに、紡木はお前が好きな女のためにバイトしてるから、力になりたいからっていって代わりに描いてやってんだよ。」

「え?ツムツムさんどういうことだ?」


牧野の言葉に霧島は驚きながら紡木に詰め寄った。


「いや〜…その〜…

葵のためにバイトも勉強も頑張ってるからさ、少しでも私も力になりたくて。

…元はと言えば私が葵から恋愛相談受けた時に、別れちゃいなよなんて言っちゃったせいでもあるし…。」

「…ツムツム。」


俯きがちにそう話す紡木を霧島は珍しく眉を下げて見つめた。


「だから、霧島くんは今はバイトと勉強に集中して!ポスターは私と牧野くんでやるし!」

「えっ、俺も?」


紡木に突然名指しされた牧野は驚いて声を上げたが、紡木はその声を無視して続けた。


「…その代わり、私に好きな人ができたら今度は霧島くんが応援してね!」

「ツムツムぅ…!」


涙目で叫ぶように名前を呼ぶ蓮が紡木の手を取りかけた瞬間、タイミングよくチャイムが鳴った。