「おはよ!」
次の日の朝。紡木が鞄の中を整理していると、後ろから声を掛けられたので振り向くと、牧野が笑顔で手を振っていた。
「あ、おはよう。」
紡木が挨拶を返すと、牧野はそのまま近づいてきた。
「今日もさ、ポスターやんの?」
「えっ、ああ〜…うん。」
思った以上に大きい声でそう聞く牧野に、紡木は戸惑いながらも返事をした。
すると牧野の声が聞こえていたのか、周りにいた男子数人が「ポスター?」「なんの話だ?」と寄ってきた。
「紡木が霧島の代わりにポスター書いてんの。」
「はあ?なんで?」
「それがさ〜…。」
紡木が呆気に取られている間、牧野はペラペラと話しはじめた。
「霧島が付き合ってる女に指輪買う為にバイトしてるんだって。
で、そのかわりに紡木が霧島が担当してたポスターを手伝ってるってわけ。」
「そうだったんだ。すご。」
「てか、霧島やばくね?」
「俺が、何だって?」
頭上から降ってくる不機嫌な声に、紡木も牧野も他の男子も全員びくりと驚いた。

