「先生…自分を責めないでください。」
西園寺の心を読み取ったかのように、紡木はそう声を掛けた。
「好きって言ってくれて、嬉しかったです。」
どうしても西園寺をこれ以上傷つけたくなくて、紡木は優しい嘘をついた。
そんな彼女の言葉に西園寺はこっそり涙をこぼした。
どこまでも他人を思いやれる紡木さんにまた好きが溢れて、
でもこれ以上近づく事も触れる事もできないという事実が、僕の胸に重くのしかかる。
紡木さん、好きだ…。
でも僕は君の為に諦めなきゃいけないのかな。
西園寺の心は今までにないほど大きく揺れていた。