「ふーん、ふふーん、ふふーん」
「今日はやけに調子いいね?」
「うん。もちろん!」
瑞花はテンションも高かったし、調子も良かった。
「わたしね、将来大人になってからもこうやって静生と過ごしたいな」
「なに当たり前なこといってんの?」
「当たり前が壊れるときって、案外近くにあるときあるから」
「まあ、それはそうなんだけど。僕は、瑞花のこと信じてるから」
瑞花と僕は、両親がいない。僕は中学3年生のとき、瑞花は高校1年生のとき、事故で両親を失った。
あのときだって、ずっと一緒だと思っていた家族が急にいなくなって、当たり前が壊れてしまった。
いかないで、なんて言えぬまま。
ありがとう、なんて伝えられぬまま。
ずっとあると思っていたものは、あっさりと崩された。
瑞花とは保育園から一緒だったから、両親が失くなったときも、お互いを慰めあった覚えがある。
毎日、一緒に朝日を見よう。
僕と瑞花はそう決めて、お互いを守りながら生きている。

