「ぅ…ん、もっかい、」
「だーめ、ね?」
「うぅ、ちょっとくらい、いいじゃん…お母さんたちだって怒らないよ」
「それはそうだけどさあ」
「それに! 後に後にってしちゃうと、できなくなくかもしれないじゃん」
「…………」
瑞花に言いくるめられてしまった。ときどきの論破はからだに悪い。
「でもね、わたしだって静生がわたしと私の家族のために我慢してくれてるってことは分かってるの。だからね、」
瑞花は一幕おいて、すうっと息を吸った後、
「また明日、おはようっていったら、大好きって言ってキスしてよ」
って言って、可愛く笑った。
僕はまだ未熟で、大した力もなくて、ただ瑞花が世界で一番好きだってそれだけで。
そんな僕が、きみの笑顔を独り占めしてるなんて夢みたいだ。
「もちろん。瑞花がお望みなら、なんなりと」
「ふふっ、なにそれー」
「なんとなく、幸せって思ったから」
「そりゃあね。わたし、静生のお父さんとお母さんと約束したもん。静生のこと幸せにするって」
「いつ?」
「うーん、確か中学二年生とかだった気がする」
「えー、じゃあその時僕プロポーズの許可もらわれてたってこと?」

