『あれ、紗良じゃん』
『え、春?久しぶり、!』
『まあそんな感じしないけどな笑』
確かに、と紗良ちゃんが頷いた時、『あ!』と声に出しながら私の腕を引っ張った。
『春だよ音ちゃん』
シュン、という響き。見上げると、曖昧な記憶が鮮明になってくる。
ぱちりと目が合って、
『、あ、えと、存じ上げております、』
とっても小声だったけれど、私より20cmくらい上にある彼の耳には届いたようで。
『え、存じ上げられてる感じ?紗良俺の話してんの?
やめろよ』
ちょっと唇を尖らせているけれど笑っている。
それしてもこの人、写真で見るより整ってるな、なんて思って我に返った。なに考えてるんだ私。
『あ、雨樹音でした、ちょっと紗良ちゃん私買うものあったごめん、見てくるね!ごゆっくり!』
