ずっと、気づかないふり。



駅までの道のりを、1年間で1番仲の良かった紗良(さら)ちゃんと歩く。

『やっぱりみんな彼氏彼女できてたね』

「そうだね〜、大学生ってすごいや」

『音ちゃんだって大学生なのに?』

「あははそうでした、でもね、私には彼氏とかできる気がしないなあ」

『頑張ろうよ、まだ2ヶ月しか経ってないよ』

「紗良ちゃんもフリーじゃん、仲良くしようネ」

『なんだそれ!』

吹き抜ける風は、まだ春だからか少しひんやりとしている。