頭を冷やすために開けたドアは、病院の中庭につながっていた。
大きな木が一本あって、日当たりもよくて幸せな気分になれそうなところだ。
ガサッ
「なんだこれ」
歩いていると、何かを踏んだ気がして下を見た。
すると、下にはたくさんの紙が落ちてた。
1枚拾い読もうとするが、数字と英語でなにかの説明がされているらしく、あいにく俺は英語は苦手分野なのだ。
「貴方が拾ってくれたの?」
紙を何枚か拾っていると、後ろから声をかけられて驚いて後ろを振り向いた。
そこには、木漏れ日に照らされている女の子だった。
「この紙、君の?」
「うん、私のだよ」
質問を質問で返してしまったけど、特に気にすることもなくあっけらかんと答える女の子。
「なんで、こんなに散らばってるの?」
「…窓を開けてたらね、風で飛ばされたの」
「そうなんだ」
俺は不思議に思った。
「貴方はどうしてここに?」
「ちょっと、気分転換に。」
‘風なんて吹いていなかったのに‘
「何かあったの?」
それを聞けなかったのは、初対面だということもそうだけど、一番は…
ー君が綺麗で、悲しそうだったからー
「少し、いやなことがあったんだ。」

