「樹が可愛いから、どうしても苛めたくなるんだよ」

クスクス笑い、脚の付け根をティッシュで拭ってくれた陶史郎さん。

「でも本番はまだこれからだからね」

・・・聞かなかったことにする。

「ちょっと休憩しよっか。水飲む?」

「うん・・・」

「待ってて」

バスローブを羽織り寝室を出てく気配を、耳だけで送り出す。脱力しきった躰は、羽根布団に埋まって動かない。・・・陶史郎さん、休憩って言った。今夜はフルコースなのかな、寝かせてもらえないのかな・・・。

16も歳上なのに疲れ知らず。悪魔じゃなくてサイヤ人だったのかも。ときどき本気で思う。