去年の5月に沢崎樹から支倉(はせくら)(いつき)になって。最近ようやく、『支倉さん』て呼ばれても違和感がなくなってきた。・・・感じがする。

陶史郎(とうしろう)さんと同じ苗字をもらって、ちょっとだけ自分も生まれ直した気がした。沢崎の父が死んで身寄りもなくなったのを、掌に掬われただけじゃない。それこそ命の恩人・・・て、陶史郎さんのほう。

陶史郎さんを庇って凶刃に倒れた父への、償いと罪滅ぼしなら奥さんになりたくないって、酷いことまで言ったのに。それだけじゃないのを教えてくれてる、今も。隅々まで刻まれてる。




夕ご飯のあと、お風呂から出たらすぐにベッドに引き摺りこまれ、いつもより意地悪に焦らされながら、時間をかけて食べられた。玩具で悪戯するときの陶史郎さんは本当に楽しそうで、悪魔ってこんな顔してるのかと思う。