「葵ー!次体育だよ!早く行こー」

さっきの授業が終わり席でぼーっとしてると美波が声をかけてくれた。

「あ、忘れてた……お待たせ!行こ!」

すぐさま体操服を持って美波と更衣室に行った。

「葵さ〜、あれよかったのー?」


着替えながら、突然変なことを聞く美波。まぁなんの事かはすぐ分かったけど……。

「……美波は好きな人にあんなとこであんなへらへらしてノリみたいな感じで付き合おって言われたら素直に返事できる?」

私は少し拗ね気味に言った。私だってさっきのこと少しは反省してる……。

「それは、まぁ……」

美波は言葉に詰まったようだった。

「行こ〜」

着替え終わりシューズをもって、美波に声をかけた。

「あ、まって!」

美波はシューズを探しているみたい。苦笑いして探すのを手伝った。

「あったー!」

脱いだ制服に埋もれていたシューズを掘り出して、更衣室を出て体育館に向かった。

「……でもねー葵。そろそろ頑張んないとやばいかもよ」

またその話か。と思いつつも美波の言葉が意味深で深刻そうだったので聞くことにした。

「なんで?」

首を傾げる私に美波は窓の外を指さす。

「最近隣のクラスの七菜って子が海野くん狙ってるらしいよ」

窓の外を見ると、体操服姿の唯叶と制服を着た黒髪ロングの可愛らしい子が渡り廊下で楽しそうに喋ってた。