「ほーんと、葵と唯叶って仲良いよなー」

ある日の休み時間、クラスの男子が私と幼なじみの唯叶が話しているのを見て言った言葉。

「な、なにばかなこといってんの!」

私はつい、唯叶のことが好きだとバレたくなくて誤魔化す。

「幼なじみだから!」

唯叶は太陽みたいな笑顔で私の肩に手を置きながら言った。ドクン、と心臓がはねた。でもこんなのいつもの事。唯叶が距離近いのは昔からだもん。

「そーゆーことだからからかうのは辞めてくれる?」

自分の席から立ち上がりながら言った。

「え、でもまじ2人ともお似合いだからもうそのまま付き合っちゃえよー」

!?
クラスメイトの言葉に驚きを隠せなかった。

「……じゃあ、付き合う?なんちゃって〜」

ヘラヘラ笑う唯叶。私はムカついてついきつい言葉を言い放つ。

「ばっかじゃないの!唯叶も山岸も変なこと言わないで」

この言葉のせいで、クラスがしんとしてしまった。私はハッと我に返ってごめん、と小さく謝った。そこでチャイムがなり授業がはじまり、いつも通りの空気になった。