「もう帰ってもいいかしら?藤原?」



「まだ。

、、、って名前覚えたんだ。」



「当たり前よ。

貴方達、もう質問なんてないでしょう?

なら帰して頂戴。」

と呆れたように白雪は言った。








陸はゆっくりと口を開く。



「質問、今から大事な話するから、聞いてくれる?」





「何その質問」


「答えて?」


「聞けば帰してくれるのね?聞くわ」



「白雪姫はもともと”白雪湖波”だった。

白雪湖波は俺らと仲が良くて、いつも遊んでいたんだ。

でも白雪には変わった力があって、魔女に狙われていた。

その力は白雪の命そのもの。だから、魔女は、白雪の命を狙ったんだ。

だから白雪を守りたくて、、、俺たち必死で、

話し合った結果、森に逃げてもらうことにしたんだ。」





水の中にいるような、

息苦しくなっていくのが分かる。



「そしたら、」



白雪が小さな声で何かを言う。



「え?」



「もうやめて!」

部屋が静まり返る。

「ごめんなさい。私、、、」



「いいよ、白雪、

、、、ただ、森に帰って欲しくない。」


「ええ、私は、この話を最後まで聞けないわ。

ごめんなさい。」