会えない、連絡なし。




またゆずくんの仕事が忙しくなって、結局会えないまま夏休みを迎えた。



「心絆スマホばかり見てる。宿題はどうした〜?」



今日は杏ちゃんと家で夏休みの宿題をしています。




ゆずくんのことが気になって頭に入らないよー…。



「雑誌では会えてるじゃん?今月号も黒木さんが表紙だし」



「そうだけど、やっぱり本物に会いたいよ。ゆずくんが夕飯食べに来てもいいように毎日夕飯作ってるのに。朝昼晩のメニューだって1から考えて栄養バランスだって」



心絆は話をしながらも、料理をする手を止めない。



ふと、視線を心絆の手元の方を見た杏子はその料理の量に驚いた。




「おいおい、さすがに作りすぎ。久々に見たよ、心絆の尽くしすぎ。無自覚お世話好きにもここまでとは。私としては憧れるけど、なんというか、凄いね…」