明日、彼はいない。

何故か、周囲が囃し立てている。


その中心に居るのは、わたし。

そして、幼馴染である彼だった。


『……』


わたしの唇から言葉が飛び出る。

その所為か、喉が痺れて痛い。


次いで、視界に映ったのは彼だった。


彼も、また言葉を発する。


『……』


その声は低い。


彼の、そんな声を聞いたのは、この時が最初で最後だった。