夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


駅の方に曲がろうとしたら

曲がれなかった



そーだ

ウサギが傘と私の手を掴んでるんだった



ウサギ

私がいること忘れてる?



「駅、こっちだから…」



「オレのアパートこっちだから」



「ん…そっか…
じゃあ私、駅まで走るから傘いらない」



ウサギから

手を抜こうとしたけど

強く握られてて抜けなかった



「また練習してくれてもいいよ」



「練習?なんの?」



「カレシに飯作る練習
カレーだけじゃ、カレシに飽きられるだろ」



「え!?」



「もしかして…
同棲諦めた?

カレシも諦めた?」



諦めたって言ったら

またバカにされる



でも…



ホントはウサギのこと好きとか

今更言えない



「ん…諦めたくない…」



「じゃ、がんばろう!」