夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


「オイ待てよ!」



玄関までウサギがついてきた



「あ、ごめん
皿、片付けてないね」



「そんなこと言ってねーよ
気分悪くしたなら、謝るよ
ごめん」



「別に…ホントのことだもん
謝らなくていい
おじゃましました」



「送ろうか?」



「いい」



「じゃあオレの上着きて行けよ
そんな薄着じゃ風邪ひくだろ!
もぉ夏じゃねんだから」



「うちの親のこと心配症とか言って
ウサギも私のこと心配してくれてるの?」



「オマエもオレのこと心配してくれるから…

オマエが入院してる時
ちゃんと食べなって言ってくれたから
ちょっとカラダのこと考えるようになった

カレー、ホントにありがと
美味かった」



なんだよ

ウサギ



優しくしなくていいのに…



聞こえないふりをして

ウサギが貸してくれたパーカーを羽織った



「オマエ、また帰りに倒れるとかやめろよ」



「大丈夫!もぉ迷惑かけません」



「オマエさ
どっか悪いの?

検査入院とか言って、結構長かったし…」



そんなこと

ウサギには言わない



「うん、悪いかも…

頭も顔も性格も…
じゃあ、おじゃましました」