夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


夏休みの病院

ひとつ予定が入った



ウサギが持ってきてくれる

お菓子を開ける



毎日来てくれるウサギは

夏の匂いがした



「あちー!外暑すぎ!」



「今日も暑そうだね」



「オマエは毎日涼しそうだな
ここは天国か?」



「んー…天国ではないかな…
毎日退屈

もぉ元気なのにな…
早く退院したい」



ひとりで寂しくて

苦しい



入院してから

そんな夢を見る



一瞬でも

ウサギがひとりで地獄に行けばいいなんて

あの時思ったから

天罰だ



「で、当たりは出たの?」



「ん?まだ…」



「ハイ…今日のぶん
ちょっと大学寄って来たから
とけてるかも…」



「ありがと
食べるの私じゃないし…」



「そーだった
オレだった」



そう言ってウサギは

私が昨日開けたお菓子を食べた



「オレのアパートにあるぶん全部開けても
当たらなかったら
もぉ終わりだな…
オマエの夢」



「うん…そーだね…」



「オレのためなの?
夢諦めるの
本気でオレのこと心配してんの?」



「ん…別に…
なんかこんな年でお菓子の当たりとか
恥ずかしいこと言ってるな…って
気付いたから
別にウサギのためとかじゃないよ」



ウサギのためって

思われるのが恥ずかしくて

そう言った



「でも、私のために買いたかったら
買ってくれてもいいよ」



ちょっと頼りにした方が

ウサギは生きようって思うのかな?



「もぉオマエのためとかじゃなくて
オレも当たり見てみたい
ホントにあんのかよ、当たり」



「ね…あるのかな?」



そんな小さな夢でも

少しは生甲斐になるでしょ



私はね

私は生きたくて…