真夏の午後3時
目の前がゆらゆらする
アスファルトが焼けてて暑い
蜃気楼かな…
陽炎かな…
地獄は
コレより暑いんだろうな…
踏み切りの遮断機が下りて
足を止めた
クラクラする
暑さかな?
それとも貧血かな?
なんか気持ち悪いな…
まさか…
まさかね…
ブー…ブー…ブー…
ん?
またママかな?
迎えに来てもらおうかな
《ウサギ》
なんだ…
「もしもし?なに?」
「オマエ、今どこ?」
「踏み切り」
あ…
なんか
吸い込まれそう
「え?なに?聞こえない」
あ…
クラクラする
「ふーみーきーり!」
あ…
ダメだ
視界がボヤける
「オマエそんな格好で
電車乗るなって言っただろ!」
すごく遠くで
ウサギの声が聞こえる
「助けて…
…
ウサギ…
…
私、死にたくない
…
明日も、行く…
…
ウサギのアパート」
ガタンガタンガタンガタン…
立ってられなくて
その場にしゃがんだ
「え!オマエ死ぬなよ!
踏み切り?すぐ行くから!」



