夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


クーラーで冷えた天国の外では

けたたましくセミが鳴いてた



冷静になったら

閉め切ったサッシを通して聞こえてきた



「ねぇ、セミって6年土の中にいて
7日しか生きれないんだって…」



「へー…
嫌なことも7日我慢すれば終わるんじゃん」



嫌なこと



ウサギはこの世に生まれてきて

嫌なことばっかりだった?



聞こうとしたけど

やめた



「そーだね…

そーだけど…

まぁ、いいや…

帰る、私」



この男には

何を言ってもダメな気がした



「あ、明日も来いよ!
ダンボールもう1箱あるから…
来なかったら、オレが開けるからな!」



「うん、生きてたらね」