夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


帰ったらユメカの鼻歌が聴こえた



「ウサギ、おかえり」



「ただいま」



「もうすぐご飯できるよ」



「バイト間に合ったの?」



「うん、間に合った

あ、先にお風呂にする?
それともご飯?」



「え、なんか今日どーしたの?」



「ん?
新婚さんの練習だよ

ウサギが仕事から帰って来て
そしたら
奥さんがご飯作ってるいい匂いがするの

お風呂にする?ご飯にする?って
奥さんが聞くんだよ」



「あー…そーゆーカンジね」



「そしたらウサギは…」



「先にお風呂にしようかな
ユメカも一緒に入る?…こんなカンジ?」



「え…」



「え…違った?
なんか、恥ずかしくなるじゃん」



「お風呂はまだ別々でお願いします」



「はい、わかりました」



笑いながらネクタイを緩めた



「なんか、幸せだな…オレ」



「私も幸せだよ」



「これからもっと、幸せにするね」



「お願いします」