夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


「ウサギ、気持ちよかった?」



「うん…ユメカは…?」



「すごく、幸せ…

ありがとう

私を、好きになってくれて…」



「ありがとう、ユメカ…

オマエに出会って
死にたくないって本気で思った」



死にたくない



私も



「私も…明日も…明後日も…
ウサギと一緒がいいよ」



ウサギの温もりも

ウサギの匂いも

ウサギの汗も



シーツに微かについた血も



生きてるんだって

実感できる



ずっと

一緒がいい



「ユメカ…一緒に生きよう」



ウサギが

強く抱きしめてくれた



瞳を閉じたら

涙が滲んだ



「泣くくらい痛かった?」



「ん…ちょっと痛かったけど…

ウサギが…ウサギが…

優しくて…大好きで…」



「麻酔足りなかったかな…
オレも緊張してたから…」



不安も

緊張も

痛みも

涙も

大好きも



全部

生きてるから



全部

嬉しくなる



「ユメカ…

ずっと一緒だよ

一緒にがんばろう

オレ、空飛べるようにがんばるから
ユメカもちゃんと戻ってこいよ」



「うん…

もっと叶えたい夢いっぱいあるから
ちゃんと帰って来るね

大好きだよ…ウサギ…」



「うん…
オレも大好きだよ…ユメカ…」



「ねぇ、コレって
今流行りの、ロマンス詐欺じゃないよね?」



「違うわ!」



「ウサギ、いってきます」



「いってらっしゃい」



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それから数日後

私は海外に発った