夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


「オマエ、今日ヒマ?」



「うん、いつもヒマ…」



相変わらずオマエって呼ばれてるし

手を繋ぐわけでもない



「あ、ねぇ…今まで言わなかったけど…」



「うん、なに?」



「あのお菓子ね
当たり出たんだよね」



「え!?
オマエそんな普通に言うけど
もっと喜べよ!
よかったじゃん!」



「ウサギが入れたから
知ってるクセに…」



「え、バレてた?」



「うん」



「言えよ

なんで偽物ってわかった?」



「本物の当たりと違ったから」



「え?」



「本物の当たりは金色なんだよ
ウサギのは、赤だった」



あ…



「なんで、金色ってわかるの?」



ウサギには

内緒だった



本物の当たりが出たこと



「え、ウワサ…

あ!
ウサギの当たりは何と交換できるの?」



「や、特に…」



「なんだ、つまんない」



「じゃあ、何がいいの?」



「なんでもいいの?」



「バイト代出たばっかりだから
それなりに…
って…またこのタイミングかよ!
金が飛ぶー」



「じゃあ、またキスしてよ
お金かかんないでしょ!」



「は?
そんなこと、こんなところで言うな!」



大学のキャンパスだった



「じゃあ、どこで言えばよかった?」



「どこって…
そーゆーのナシ!」



「じゃあ、もっと違うの考えとくね」



ナシ!って…



なんだ

やっぱり

付き合ってない



今日、ヒマ?とか聞いといて

何も誘われなかったし



なんだ

そーなんだ



じゃあ

ヒマ?とか聞くな!



だいたいヒマだわ