夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


ウサギは

流れる映像をジッと見てた



今、いいとこだった?



「私はウサギのこと…
好きじゃなくないよ」



この期に及んで

真っ直ぐ

好きだよって言う

自信がなかった



もし

ホントはオマエのこと好きじゃない

とかウサギに言われたら



手術とか



どーでもよくなる



「なに、その言い方…

そんなヤツ、抱けない」



「どーしたら、抱いてくれる?

もっとかわいかったら抱いてくれた?

あーぁ…
ウサギが我慢できないくらい
かわいかったらな…」



「オマエさ…

ホント、かわいくないね

オレは
今だって…
ずっと今まで…
我慢してたし

かわいくて…
好きで…
仕方なかった

ずっと、好きだった

ただ、好きだった

ただ…
好きって、言ってほしい」



いつも

真っ直ぐ私を見てくれるウサギ



その瞳に映る私は

ズルい



何度も

好きって伝えてくれたウサギ



私は

何度も

その気持ちを

無視した



「好きだよ…ユメカ…」



ウサギの声は

震えながらも

真っ直ぐ伝わってくる



ウサギの瞳に映る私が

滲んだ



「ウサギ…

好き…

大好きだよ」



ただ

この気持ちを伝えるのが



ずっと

こわかった



ずっと

不安だった



ゆっくり

ウサギの温もりに包まれる



伝わったんだ

私の気持ち



安心する

ウサギの胸



ずっと

この胸に



ずっと

この腕に



抱きしめてほしかった