「おじゃまします」
「ダンボールもぉ1箱あるから早くあけろよ
邪魔なんだよね」
「あー、うん、ありがと」
私のくだらない夢のために
なんでここまでしてくれるんだろう?
自分のバイト代使って
部屋まで狭くなってる
はー…前髪邪魔だな
お菓子を開けながら思った
そろそろ美容院行かなきゃ
今日も弟から借りたシャツ
袖が邪魔で腕まくりした
服もいつもこんなだし
女の子っぽい服って私着ないな…
似合わないもんね
スカートなんて
高校の制服脱いでから履いてないや
最近の私
内職のように
お菓子を開けてる
「オマエいつもブカブカの服着てるから
わからなかったけど
腕細いんだな」
「え、そぉ?普通でしょ」
ウサギが私の腕をつかんだ
「ん?なに?
邪魔しないでよ
離して…」
「ハイハイ…
なんか飲む?」
「うん、じゃあなんかちょーだい」
ん?
なに?
ウサギにつかまれた腕を
自分の手でつかんだ
ウサギの手
大きくてゴツゴツしてた
にぎられた場所に
まだ感触が残ってる
私の手と
全然違った
力強さも
温度も
ん?
なに?
なんか私
ウサギを意識してる



