「お、脱皮したじゃん」



「うん
おかげさまで冬は温かく過ごせたよ」



「それはよかった」



「うん、ありがとう」



ウサギのおかげで

私はなんとか生きてる



生きたいと思ってる



「昨日DVD借りたんだ
一緒に見る?」



「ん?なんの?」



「スタッフおすすめコーナーにあったヤツ
オマエの好きな俳優出てたかも…」



「あー、映画館に観に行った」



「じゃあ、もぉ見なくてよかった?」



「ウサギ、見たくて借りたんでしょ
見ようよ」



「や…別に…
オマエ、見たいかな…って…」



「なんだ
私のために借りてくれたの?
でも、もぉ冷めちゃった」



「は?
オマエって冷めるの早いね」



「そーかな?
でも彼は3年近く好きだったよ
握手会とかも行ったりしたかな…」



「ふーん…
オマエって
誰かを本気で好きになった事あんの?」



「本気で?」



「男とか女とか関係なく」



「んー…」



「なんか、友達にしてもさ
一線引くっていうか
深く関わらないようにしてない?

夏休み入院したことも
オレがみんなに言っちゃったけど
自分からは誰にも連絡しなかっただろ

みんな心配してたよ
オマエが言わないから
こっちから聞きにくいって…

言いたくないのかもしれないけど
そーゆーの言える人
いたりするの?」



「んー…いないかな…

言ったら、みんな心配するし…
別に言わなくても…」



「言わなくても心配だよ

いいじゃん別に心配しても

みんなオマエのこと好きだから
心配するんだし…」



「んー…」



私とウサギの関係は

変わらなかった



ウサギは

私より私のことをよく知ってる



いつもウサギに言われて

気付かされる



話しながら

ウサギのアパートに着いた