夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。


「いただきます
うまそうじゃん!
コレなに?」



「冷蔵庫の中の物を全て炒めた物」



「見たまんまだな」



「うん」



「けど、スゲー助かる
最近また栄養取れてないな…って思ってたし

スーパーでいろいろ買っても
料理する時間なくてさ」



ウサギの髪を見たら

少し伸びてた



美容院行く時間もないくらい忙しいのかな?

前はマメに行ってたみたいなのに



「ウサギ、ちゃんと寝れてる?」



「んー…いつの間にか寝てる」



「ちゃんと布団掛けて寝ないと
風邪ひいちゃうよ」



「掛けてくれるカノジョいたらいいけど…」



ズキズキして

目をそらした



「考えごとしてたら
ちょっと焦がしちゃった」



「んー…それも見たまんまだけど
でも、美味いよ」



「無理して食べなくていいからねって
言いたいけど
それしかないから全部食べてね」



「オマエって、ヒドイね」



そーだよね

こーゆーところが悪いのかもね



ウサギは

優しいのに



だから

罰が当たるんだ



「ごめんね
私、なんか買ってくるよ
ちょっと、待ってて…」



「は?いいって!
うまいって言ってんだろ!」



それは

ウサギの優しさ



ウサギも

私が病気だから

優しくしてくれるの?



「ごはん、おかわり…」



ウサギがお茶碗を差し出した



「オマエも食べたら?
味見ぐらいしろよ、うまいから…」