2/3片思い

「ナツミ、今から大丈夫?」

マヨの小さな声が背後に聞こえた。

「うん、大丈夫だよ。」

私とマヨは、何もしゃべらず、剣道場に向った。

剣道場の裏にある、いつも二人で馬鹿話している場所。

丁度死角になってて、いい感じに二人がけのベンチが置いてあるんだ。

きっと、剣道部のずーっとずーっと上の先輩が置いていってくれたもの。

このベンチで、剣道部の色んな人たちが、色んな話をいっぱいしてきたんだろうな。

二人でゆっくりとベンチに腰をかけた。

見上げると、桜の枝が無数に交差していて、太陽の光がちろちろと斜めに差していた。

ゆっくりと深呼吸する。

「マヨ、話って何?」