大好きなマヨが剣道部やめちゃうなんて、想像できない。

マヨのいない場所に自分が一人ぽつんといるなんて。

「うそー。嫌だな。なんでやめちゃうの?やっぱり株山先輩のことがあったから?」

マヨは前髪をかき上げて、涼しげに笑った。

「違う違う。そんなんじゃないよ。入った時から色々と悩んでてさ。」

「何を?」

「自分自身の進路。」

進路・・・かぁ。

松川くんのことに気を取られて、自分の進路なんて真剣に考えたことなかった。

「マヨは、どうしようと思ってるの?」

マヨはココアのカップをそっと両手に持って眺めるような仕草をした。

「実はさ。S女子大の英文科をうけようと思って。」

「S女子大の英文科って、かなり偏差値高いんじゃなかったっけ?」

「そうなんだ。だから、受験勉強、本腰入れてやらないとやばいなーって。」