『春野へ
春野がこの手紙を読んでいる頃には、俺はもうこの街にいないんだろうな。優し〜い先輩が居なくなって寂しいからって、泣いてたらダメだぞ!』
先輩らしい書き出しに、思わず笑みをこぼしてしまう。
先輩ってば、どこまでふざけたら気が済むんですか…。
でも、変に堅苦しい文章よりも、飾らない言葉の方が心地が良い。
そっちの方が、先輩らしくて私達らしい。
『何から書こうか迷うけど、まずは…そうだな。俺の夢について。春野からしたら聞き飽きてることかもしれないけど、今から話したいことをちゃんと伝えるためには多分、言っといた方が良いんだと思う。
俺の夢は、プロのカメラマンになること!小さい頃に初めてカメラに触れて以来、変わらない夢なんだ。意外と一途だろ?』
全然、意外なんかじゃありませんよ。
だって、小さい先輩がカメラを持って目をキラキラさせているのが、ありありと想像できちゃいますから。
『でも、一時期…高1の終わり辺りから…思うように写真を撮れなくなったんだ。いわゆる“スランプ”ってやつだったんだろうな。そのうち、撮りたいものはあるのにちゃんと写真にできない自分に嫌気が差してきた。何のために写真を撮っているのか、分からなくなった。カメラを持つのが、少し怖かった』
春野がこの手紙を読んでいる頃には、俺はもうこの街にいないんだろうな。優し〜い先輩が居なくなって寂しいからって、泣いてたらダメだぞ!』
先輩らしい書き出しに、思わず笑みをこぼしてしまう。
先輩ってば、どこまでふざけたら気が済むんですか…。
でも、変に堅苦しい文章よりも、飾らない言葉の方が心地が良い。
そっちの方が、先輩らしくて私達らしい。
『何から書こうか迷うけど、まずは…そうだな。俺の夢について。春野からしたら聞き飽きてることかもしれないけど、今から話したいことをちゃんと伝えるためには多分、言っといた方が良いんだと思う。
俺の夢は、プロのカメラマンになること!小さい頃に初めてカメラに触れて以来、変わらない夢なんだ。意外と一途だろ?』
全然、意外なんかじゃありませんよ。
だって、小さい先輩がカメラを持って目をキラキラさせているのが、ありありと想像できちゃいますから。
『でも、一時期…高1の終わり辺りから…思うように写真を撮れなくなったんだ。いわゆる“スランプ”ってやつだったんだろうな。そのうち、撮りたいものはあるのにちゃんと写真にできない自分に嫌気が差してきた。何のために写真を撮っているのか、分からなくなった。カメラを持つのが、少し怖かった』



