「……ちょっと、考えてみます。まあ、等花高校に通えるのが一番いいんですけど……無理な以上は、できる範囲で策を練らないとです。ありがとうございます、弥生先輩」
「うん、じゃあ、お疲れさま」
「はい。家で今日やったパート練習しておきますねっ」
そう言って、さくらちゃんは部室を後にしていった。
さて、私も帰らないと。
荷物の整理をして、部室を出る。
目の前の窓が少し空いていて、そこからグラウンドにいる運動部の掛け声が聞こえてきた。
時刻は午後17時過ぎ。夏は日が長いから、遅くまで活動している部活も多くあるのだろう。
強い西日がまぶしくて、私は左手で日よけを作って廊下を歩いていく。
部室のカギを返したら、今日の部活も終了だ。
1階に降りて、職員室へと向かう。
校舎にはもうほとんど人が残っていないらしく、静かな空間から小さな音が聞こえてきそうだった。私はそれを、空気が動く音だと思っている。
ここはいつものように賑やかだなあと思いながら、職員室で私はカギを返却。
あいさつをしてから扉を閉めて下駄箱に向かおうとする。そのときだった。



