甘いセロリの王子様



 すると、さくらちゃんは少しだけ俯いた。

 あれ、なにかあったのかな? と思っていたら。



「……弥生先輩は高校生になっても合唱、続けますか?」

「え? うん。続けるつもりだけど……」



 予想外の質問に驚きながらも、私は答える。



「……この辺で合唱部があるのって、等花とうか高校くらいじゃないですか。わたし、諸事情で等花高校は進学できるかわからなくて。合唱、高校でもやりたいんですけどね」



 確かにその通り、このあたりに住んでる普通の高校生が通える範囲ってなると、合唱部がある学校は等花高校しかない。

 合唱部が設置されている高校はそう多くないからなあ。



「うーん、学校でやることにこだわらないなら、地域の合唱団に入るとかはありかも。たしか常時募集をしていた気がするよ」



 私自身もそういった合唱団への入団を考えていた時期もあったから、少しでも情報として助けになれたらとアドバイス……ほどではないかもだけど。

 さくらちゃんは一瞬眉間にしわを寄せた後、顔を上げた。