甘いセロリの王子様

 教室に荷物を置いて、私は部室へ行く。

 しばらく掃除していなかったから、埃がたまっていると思う。終わらなかったら、また明日の朝掃除しにこよう。

 なんて考えていると。


 「あっ、弥生ちゃーんっ」

 「わっ、どうしたの麻里花(まりか)ちゃん」


 すごい勢いで、隣のクラスの佐藤麻里花ちゃんがこちらへ走ってきた。

 な、なにがあったんだろうか。



 「実は今日数学の教科書忘れちゃって……! あの先生超絶怖いじゃんっ!! 忘れたなんて言ったら殺されるかも……!! だから弥生ちゃんにお願いがあります! どうかこのバカ野郎に教科書を貸していただけませんでしょうか!!」


 「えちょっと、顔上げて~っ!」


 そしたら麻里花ちゃんが土下座をし始めたので、慌てて起き上がらせた。