甘いセロリの王子様




 ……あそこで立ち止まってしまった理由も、自分でもいくつあるかわからない感情が入り混じって胸の奥がもやりとした理由も、私はずっと前からわかっているんだ。



 認めてしまったのは、小学校高学年のとき。

 気づいて、受け入れるのはとても簡単。だけどそれを伝えることは、どんな言葉をもってしても説明できないくらいに難しい。



 ただ勇気がないと言われれば、それまでなのかもしれない。

 私が……世間一般からしたら幼なじみかと言えるかわからないこの不思議な関係に、甘え続けているだけなんだと。




 ローファーに履き替えて、校舎の外に出た。

 とたん、夕方が演出する真夏の太陽の光を、一身に浴びる。



 ―――私は、君が持つ優しさの王子様だから。

 気持ちを伝えることなんて……できない。