冷や汗がタラタラ流れる。


「……てか何してんの?誰か待ってんの?」


彼は、私の座っているベンチの横にドカッと座り肩を組んでくる。


いやだ、気持ち悪い。


だんだんと怖くなってきて、涙の膜が張る。


「今から一緒にまわんね?」


と、勝手に話を進める彼。


触られている肩や首が大きく脈打つ。


「実はさー、ーーーーー」


何分くらいそうしていただろう。


きっと十数分しかたっていないのだろうけど、私には何時間にも感じられて。


今では、震え出しそうな手をおさえるのでいっぱいいっぱいだった。


あぁ、誰か助けてよ。


もういやだよ。


「……何してんの」


まるで、私の願いが叶った瞬間のように体が軽くなった。


「カヤ……っ」


私が立ち上がるのと同時に、元カレも肩を組んだまま立ち上がる。