忘れたいのに……。


頭に乗せられた、大きくて温かい手。


意地悪く微笑む顔。


私を捉えたら離さない琥珀色の瞳。


全てを思い出させた月くんの後ろ姿。


月くんがカヤならきっと、出て行くのを止めていただろう。


そこで、気づいてしまった。


……この気持ちがなんなのか。


私とカヤが出会ってから、出て行くまでの短い時間のあいだに芽生えた、この気持ち。


ずっと忘れられなくて。


いつも考えてて。


胸が苦しくなって。




私……カヤのことが好き……なんだ。