「え、でもテスト近いし……」


「鏡見てきなよ、クマできてる」


美湖ちゃんは、机の上に広げていた参考書もノートも筆箱も、全部閉じた。


そこまでしなくても……。


「さ、昼ごはん食べるよー」


私のカバンを漁って、お弁当を取り出した。


「一緒に食べようよ、ね?」


美湖ちゃんは、優しく微笑んだ。


「……うん!」


心配してくれたのかな。


幸せそうに購買のパンを頬張る美湖ちゃんを見て、そう思った。


「ありがとう」


「何がぁー?」


嘘、わかってるくせに。


やっぱり美湖ちゃんは、どんなことがあっても私のそばにいてくれるんだな。


「なんもない」


私はお箸を持って、お弁当を食べ始めた。