「……」



カヤは何も言わない。



月くんも、うつむいたまま。



そして、安心した、そんな表情をして、真綾さんは微笑んだ。



「私たちはあなたのことを家族だって思っているわ。あなたが思っていなくても」



「っ……」



カヤが、やっと。



やっと真綾さんの瞳を、捉えた気がした___……。



「だからね、許すも何もないわ。あなたが元気、それだけでいいのよ」



気づけば、カヤはもう一度頭を下げて謝っていた。



あぁ、もうこれで全部、カヤが抱えているものはなくなったんだ。



カヤの家に行った時見つけた、あの3人が写っているのは、この場にいる真綾さんと月くんと、カヤだったんだね……。



なぁんだ。カヤ、みんなのこと大好きじゃない。



「……なんでくるみが泣いてんだよ」



ははっと笑ってカヤが私の頭をくしゃくしゃに撫でる。



「ちがっ……これ、は……っ」



嗚咽が混じってうまくしゃべれないけど、この涙は……っ。



「わぁーってるよ。『嬉し涙』だろ」



温かい___……。