「っ……なんで……」



真っ暗な夜道。



私の視界は涙のフィルターで覆われている。



あれから、カヤの返事を待つことなく出てきてしまった。



追いかけてきてくれたら___……。



何回そうやって願ったかな。



でも、追いかけてきてはくれなくて。



そう言ったのは私なのに、余計に悲しくなったのを覚えている。



そうして、何も考えないうちにたどり着いたのは、いつも来ていたコンビニ。



家に帰るのもなんだか嫌だし……。



「……勢いで出てきちゃったけど……」



これからどうしよう……。



近くのベンチに座って、さっき買ったホットココアを飲む。



はあっと白い息が出た。



「……寒い」



時刻は午後8時近く。



当然、寒くもなってくる。



ファミレスとかの暖かいところに移動しようかな、そう立ち上がった時だった。



「……先輩?」



呼ばれたような気がしたのは___……。



わかってるけど、期待しちゃう自分がいて。



カヤなのかなって思っちゃう。



ゆっくりと振り返ると、そこには、明るい金髪の男子___月くんがいた。



「月……くん……」



月くんも少し驚いたようにしている。



暗くてよく見えないけど……。