「ほんと急にごめん」



誰もいない日が暮れかけの公園で、苦笑いを浮かべながら、仙道さんがキャップを脱ぐ。



私たちはベンチに腰掛けながら話を続ける。


「いえ、全然いいんですよ。どうか、したんですか……?」



「うん……うん、くるみちゃん」



強い意志を宿したような仙道さんの瞳。



おだやかで、無気力な仙道さんからは想像もできないくらい。



自然と背筋が伸びるのを感じる。



「……好き、だよ」



まるでポロリと溢れた本音のよう。



「……っ、え?」



今言われたことが理解できなくて目を見開く。



「くるみちゃんのこと……好きなんだ、」



何言ってんだ俺、とつぶやきながら頭をかかえる仙道さん。



「迷惑なのはわかってる。でも……さ」



"伝えたかったんだ、どうしても"