暗い部屋。



きっともう夜の9時くらいだ。



ごはんも食べれないくらい泣き続ける。



もう涙なんてとっくのとうに枯れてるはずなのに。



止まらない……。



ずっとずっと頭の中に残っているのは、カヤと由榴さんがキスをしているあの場面。



……いくら撮影でも、つらいよ……。



もう少し来るのが遅かったら。



忘れ物なんか届けにいかなければよかった。



カヤと……出会わなければーー……。



「っ!……もう、やだ……」



こんなこと思いたくない。



カヤと出会わなければこんなつらい思いなんてすることなかった、なんて本当はみじんも思ってないはずなのに。



「私の……バカ……」



枕をぽすんと投げて睡魔に身を任せたーー……。