「……由榴、もういいから」



カヤが振り返って困ったふうに言う。



「なんで?私は椿くんとお話したかったからだよ?椿くんは違うの?」



肩で切り揃えられたブラウンの髪。



スラっとしたスタイル。



大きな目に色白の肌。



モデルさんのような容姿だ。



「ちげーよ、お前が勝手にーー……」



「あれ?この子誰?もしかしてまた新しい彼女かな?」



「……由榴」



「はじめまして、君。私、椿くんの彼女」



「……え?」



由榴、と呼ばれる女の人は私の前に立って、ニコッと微笑んだ。



この人が、カヤの彼女……?



頭の中が真っ白になったーー……。