カヤはそう言って頭をガシガシとかいた。



その顔はどこか赤くて。



「カヤ熱あるんじゃない?」



もしかして私の風邪うつったかな!?



慌てて駆け寄る。



おでこに手を当てようとしてふと、とどまった。



……私って距離近いんだよね。



こういうところが、だよね……?



少しは考えた方がいいのかな。



「あーそうそう!お味噌汁が!」



くるっと回って台所に戻ろうとした、その時。



「……ん」



ぐいっと手が引っ張られるような感覚と共に、温かいものに触れる。



「熱、ないだろ」



そう言って意地悪く笑うカヤはいつもどおりで。



顔に熱が集まる。



「〜っ……な、ない!よし、合格!」



「っは、何がだよ」



この人……真っ赤な私の顔を見て楽しんでる……!



「目の前でイチャつくのやめろよマジで」



「ふぇっ!?」


突然声がしたかと思えば、布団から顔をひょっこり出して私たちを見つめる月くん。



「兄貴さぁ、いい加減ーー……」



「飯食うぞー」



何かを言いかけた月くんを遮りカヤが話題を変える。