毎月増えていく仕事。



たくさんの友達や仕事仲間、ファン達が俺への期待を膨らませていく。



「……もう、耐えられねーんだわ」



自嘲気味に笑ってみる。



「……やめれば」



「……は?」



月を見ると、俺をまっすぐな目で見ていた。



「そんなのやめろよ……俺だって兄貴のこと大切なんだよ……」



だんだんと弱々しくなっていく月。



「やめるわけにはいかねーんだわ」



もしここでやめてしまえばまた母さんが辛い思いをしてしまうから。



「……そ、兄貴の決めたことなら反対はしねぇよ。……でも……頼れよ。俺だって大咲先輩だっているんだよ」



「っ、」



「あとその作り笑いやめろ」



なんで……。



なんでだよ……。



俺の笑い方、完璧だったろ?



「バレバレだっつの」



ーーあぁ、やっぱり月には敵わねーな……。