ハッと、息を飲んだ。

スマホのライトで雪男の人を照らす。



栗色のストレートな髪。長めだけど、きちんとセットされている。


髪の隙間からのぞくのは、琥珀色の綺麗な瞳。

意識が朦朧としているのか、どこを見ているのかわからない、うつろな目をしている。



「あ、あなたこそ誰ですか……」


警戒しながら、でも、冷たい彼の手をしっかりと握りながら問う。


このままじゃ、本当に死んじゃう……。


「……」


私の問いかけに、彼は答えず。


黙りこくってしまった。


「立てますか」


とりあえず、私の家に連れて行こう。

お風呂に入らせて、さっさと出ていってもらおう。


彼のいたるところに詰まっている雪を払って、私の着ていたコートとマフラーを彼に着せる。