こんなところで泣いてちゃダメだ。


雨か涙がかもわからない水滴をびしょ濡れの袖で拭う。


で、でも、ここで2人の前に出ていくのが正解なの?


でも私が出て行ったところで、何の意味にもならないし……。


ぐるぐるとまわる頭を必死に支えながら考える。


ここは、このまま帰るのが正解だよね。


考えたところで、その策はすぐに崩れ落ちた。


ダメだ、帰れない……。


電柱から出たら2人の場所からは丸見えになるところで……。


ということは、2人がコンビニの前を離れるまで、ずっとここに隠れてなきゃいけないわけ……。


頭を抱える。


どうしてここに隠れちゃったの私……。


まずカヤを探しにいかなければこんなことにはなってなかったのに……。


「関係なくね?」


そんな時、かすかにカヤの声が。


強い雨音の中、聞こえたんだ。


関係ないって、何が……?


私には2人が何の話をしてるかなんてわかるわけもなく。