もう、距離とか考えるのやめよう。


このまま続けても、ただ自分を苦しめるだけだ。


4月でも、夜はまだ寒い。


上着を羽織って、作ったごはんもそのままに家を飛び出した。


もう、言ってしまおう。


どうせなら、自分の思いをぶつけてこの恋を終わらせたい。


叶わなくても、叶わなくても……。


気持ちを届けるくらい……。


神様は、許してくれるよね?


「カヤ……カヤ……」


夜の住宅街。


冷たくて、静まり返っている。


今伝えないと二度と言えない、この気持ち。


叶わなくても絶対に届けたい、この気持ち。


ーーーーーぽつぽつと、雨が降り出した。


それでも私は走り続ける。


ーーーーー届けるために。