身長が高くて、いつも余裕ぶっているカヤ。


今日も私をちゃかす。


……でも、いつもとは違った。


身長が大きくて、態度も大きいくせに。


小さな背中に見えた。


形だけの笑顔。


形だけの言葉。


まるで、自分で自分を傷つけ合っているみたいだった。


何かと戦うようなその表情。


余計に手を離したくなくなる。


「じゃあ何、離してくんね。俺今けっこー余裕ねーんだわ」


そう言ってカヤは自嘲気味に笑う。


ほら、やっぱり。


片手で自分の顔を覆っているカヤ。


「言ってくんないとわからないって言ったの誰だっけ」


「……」


私はカヤの腕を握る力を強くした。


ねえ、カヤ。


君にとって私はただ一緒に住んでるルームメイトだよね。


私を特別扱いしてほしいって言いたいんじゃない。