「神楽……カヤ……」


改めて、その名を口にしてみる。


「いや、なにサラッと本名言っちゃってんの?俺初耳なんだけど」


昴さんが、目を丸くしている。


その時、美湖ちゃんが言っていたのを思い出した。


『この人俳優で、椿って言うんだよ!』


もしかして。


「俳優、なの……?」


「そ」


ってことは……わ、私……。


すごい人と、住んでるんじゃないの……!?


冷や汗がタラタラと出てくる。


「くるみ?どした」


「か、カヤ……どうしよう。私、カヤにビンタしたりスリッパ投げたりしちゃった……」


こんなことが世間にバレたら、私の人生終わりだ。


刑務所に送られちゃったりするのかな……。


「ぶっは!椿ー、殴られたの!?」


流星さんがまたまた大爆笑している。