そして、2人を見ると、悔しそうに下を向いている。


これは……。


ここで話を終わらせたほうがいいんじゃないの?


気づくと私は、カヤの袖を引っ張っていた。


「……は」


「カヤ……話は最後まで聞こうよ」


正直、今のカヤはすごく怖い。


でも、何かを避けているような気がして、そのままじゃダメだって思ったんだ。


「……」


カヤはしばらく私を見つめる。


何度も目をそらしたくなる。


でも、ここで怯んじゃダメだ。


そらしちゃダメだ。


強くカヤを見つめると、カヤは観念したように椅子に座り直した。


「……」


「ごめん、ありがとう」


垂れ目の人が、私を見て微笑んだ。


「椿……なんで姿を消したんだ?」


今度は短髪の人が冷静を装って聞いてきた。


何があったのかは知らないけど、きっと動揺しているだろう。


「……疲れたんだよ、もう」


カヤは、はぁーっとため息をつく。


「だからって……突然?ニュース見てんのか?大騒ぎだぞ」


ニュース……?


うちにはテレビがない。


「知らねーよ、休止発表したし」


「でもあれは突然すぎだろ!俺らにも言わずにどーゆーことだよっ!」